仕事を辞める際に知っておくべき失業保険について

失業保険とは

失業保険とはそもそもどういったものなのかを退職前にまずは知っておきましょう。失業保険は正確には雇用保険の中に含まれている公的保険制度の1つとなります。雇用保険は会社に勤務している間に天引きされて支払っている保険であり、この雇用保険は働いている間でなんらかの要因によって働けなくなった場合に生活を保証してくれる保険と言えます。
そしてこの雇用保険にはなんらかの事情によって勤務先から退職をしなければならなくなった場合にも使用することが可能で、次の仕事が見つかるまでの間、失業手当として生活するためのお金が給付されます。この保険制度が失業保険です。

存在意義について

ではこの失業保険がなぜ支給されているのかという点についてですが、失業保険の支給目的は大きく分けて2つあります。
1つが失業中に生活を維持していくための給与代わりとなる目的です。ほとんどの労働者にとって生活を支えているお金の出どころは給与です。そのため失業者の生活ができなくなることを避けるために失業保険があります。
もう1つの目的に再就職先を探す転職活動をしやすくするという点があります。十分な検討期間が持てずに転職をしてしまうことで、転職先でもうまくいかずに長続きしないということは珍しくありません。このような状況に陥らないように検討期間に余裕を持って再就職活動が出来るようにすることも目的の1つです。

知っておくべき受給について

現在の職場を辞めたいと考えているのであれば、失業保険の受給について詳しく知っておくことは大切です。なぜなら、失業保険は誰でも受給できるわけではありませんので、失業保険を利用できると思っていたら実は受給対象ではなかったといったことを避けるために、受給について知りましょう。
まず受給対象となる条件には自己都合退職と会社都合退職、その他で分けて考えます。会社が倒産する、もしくは解雇されるといったことがない限り、基本的には自己都合退職となります。この自己都合退職の場合にはさらに「正当な理由がある」場合と「正当な理由がない」場合で異なります。
転職や起業を考えての退職だと正当な理由がない場合になりますので、受給条件は「離職日以前の2年間で被保険者期間が1年以上あること」と「待機期間7日間の後、さらに3ヶ月の給付制限期間が満了すること」の2つになります。そして、労働することがなんらかの事情によって困難になってしまった場合や配偶者の転勤事情によって離職した場合は正当な理由がある場合になります。この受給条件は「離職日以前の1年間で被保険者期間が6ヶ月以上あること」と「7日間の待機期間満了すること」に変化します。
これら2つの違いを簡単に説明すると、正当な理由がない場合だと正当な理由がある場合に比べて、被保険者である期間が長いということ、そして待機期間と呼ばれる7日間後にさらに3ヶ月支給までの期間が設けられることの違いがあります。